【注目の国連情報】世界的調査で明らかになった、気候変動対策の強化を求める「真に驚くべき」コンセンサス

最近の国連活動の中で、国連支援財団が注目するものや、ぜひ皆さんに知っていただきたい国連情報についてお伝えします。今回は、国連ニュースセンターが配信している「UN News」の中から、以下の記事について、そのポイントをご紹介します。

●世界的調査で明らかになった、気候変動対策の強化を求める「真に驚くべき」コンセンサス (2024年6月20日)

国連開発計画(UNDP)が実施した画期的な世論調査の結果、世界中の圧倒的多数の人々が、気候変動対策に関して地政学的な違いに終止符を打つことを望んでいることが明らかになった。

■回答者の80%が、より野心的な気候変動対策を支持
・気候変動に関する過去最大の単独世論調査である「2024年気候変動に関する世論調査(Peoples' Climate Vote 2024)」において、回答者の80%がより野心的な気候変動対策を支持していることが示された。
・国連開発計画(UNDP)のアヒム・シュタイナー総裁は「世界の市民は、気候危機と闘うために、指導者たちが互いの違いを超えて、今すぐ行動し、大胆に行動することを望んでいる」と述べた。

■気候変動対策は、世界の「ほとんどすべての人が同意できる問題」であること
・シュタイナー総裁は、各国の首脳や政策立案者が、パリ協定のもとで各国が次回の気候変動対策の公約、すなわち『国別拠出金(NDC)』を策定する際に留意するよう強く求め、「これは、どこにいても、ほとんどすべての人が同意できる問題だ」と述べた。

■調査対象となった多くの人々が「化石燃料からクリーンエネルギーへの迅速な移行を支持」

・オックスフォード大学とGeoPoll社と共同で実施したこの調査は、77カ国の87カ国語を話す75,000人以上を対象に、気候変動に関する15の質問を行った。
・調査対象となった77カ国中62カ国の人々の過半数が、化石燃料からクリーンエネルギーへの迅速な移行を支持すると答えた。

■世界の半数以上の人々が、気候への不安を持っている
・世界全体では56%の人々が、後発開発途上国では約63%の人々が「毎日または毎週のように気候変動について考えている」と答えている。
・全世界で半数以上の人々が、「気候変動について昨年よりも心配している」と答えた。後発開発途上国では59%、9つの小島嶼開発途上国では最大71%が同じ感想を示した。
・調査対象者の69%が「住む場所や働く場所といった大きな決断が気候変動の影響を受けている」と答えた。
→ただし、後発開発途上国では74%、西ヨーロッパと北ヨーロッパでは52%、北米では42%と、地域によって異なる結果となった。

■気候変動に関する議論に、人々の声を反映させることが必要
・ニューヨークの国連本部で開催された世界的な発表会で、国連開発計画(UNDP)の気候変動担当グローバル・ディレクターのキャシー・フリン氏は、「私たちが前進していく上で、(気候変動に関する)議論に人々の声を反映させることが必要です。」と発言した。
・「これからの2年間は、国際社会として温暖化を1.5度未満に抑えるための絶好のチャンスです。」「私たちは、気候プロミス・イニシアチブを通じて、政策立案者が気候行動計画を策定する際に、その努力を強化するよう支援する用意があります。」と彼女は述べた。

(出所)
国連ニュースセンター「UN News」:「Global survey reveals ‘truly astonishing’ consensus for stronger climate action (https://news.un.org/en/story/2024/06/1151271)」のDeepL翻訳又はGoogle翻訳による日本語訳を基に国連支援財団作成